【犬の日】犬はいつから人間の相棒なの?犬と人間の関係の歴史について

犬は、古くから人間と行動をともにするパートナーのような存在です。
実際のところ、犬はいつから人間と行動をともにするようになったのでしょうか?
この記事では、犬の進化の歴史や人間の関係の歴史について解説します。 2023年11月01日作成

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犬の進化の歴史について解説

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まずは、犬の進化の歴史についてご説明します。
犬は、どのような経緯で人に慣れるように進化していったのでしょうか?

犬の祖先はオオカミ?

これは有名な話で、犬の祖先はオオカミだといわれています。
諸説あるため断言はできませんが、ハイイロオオカミだとする説が有力です。

オオカミから犬への進化

それでは、オオカミからどのようにして犬へと進化を遂げたのでしょうか?
これにも諸説ありますが、有力な説は「人間の残飯目当てに近づいてきたオオカミの中から、従順な性格のオオカミが人間の手によって繁殖されて犬となったというものです。
しかし、知っての通りオオカミは攻撃性の高い動物で、人間であってもオオカミに攻撃をされると命にかかわることもあるでしょう。
そのため、野生のオオカミの中でも生後間もなかったり特別人懐こかったりする個体を選んだのではないかと考えられています。

オオカミが人間に近づいた理由は?

オオカミにとって、人間は未知の動物です。
自分たちに友好的かどうかもわからないのに、どうしてオオカミは自ら人間に近づいていったのでしょうか?
実は、これは人間とオオカミの利害関係が一致したからだと考えられています。

ご存じの通り、オオカミは嗅覚が優れている動物です。
また、警戒心も強いため、ほかの動物が近づいた時にすぐに気が付くことができます。
オオカミは、ほかの動物が近づいた時に人間に合図を出すことで残飯をもらうことができるため、危険を冒してまで狩りをする必要がなくなります。

このように、人間はオオカミに残飯を与えることでいち早く危険が察知でき、オオカミは人間に事前に危険を伝えることでリスクなく食事ができるという、お互いに利用価値があるという判断だったのでしょう。

犬の品種改良の歴史

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犬は、数百種類の犬種が存在します。
もともとの祖先はオオカミだといわれていますが、そこからどのような品種改良をされていったのでしょうか?

狩猟犬への改良

中世ヨーロッパの貴族たちにとっては、狩猟は地位と力の象徴としてとても重要なものでした。
そのため、貴族たちはより優れた狩猟をするために、さまざまな犬種を作り出したといわれています。
ポインターは獲物の位置を正確に知らせることができ、ウサギ狩りにはビーグルやボルゾイに任せることで簡単に狩猟をすることを可能にしました。

狩猟目的以外の品種改良も盛んになっていく

狩猟犬の品種が続々と作られていく中で、徐々に狩猟目的の品種も作られるようになりました。
番犬としてはドーベルマン、軍用犬はジャーマンシェパード、闘犬ではピットブルなどが作られています。
そして、もとの品種から改良を重ねて別の品種ができることもあります。
ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーなど、鳥を撃った後に持ち運ぶために作られた犬種の祖先は、カナダの綱引き犬だったニューファンドランドです。
このように、狩猟目的以外にもさまざまな目的で、犬は品種改良されていったのです。

愛玩犬は18世紀中頃から広まる

18世紀中頃に、富裕層の間で犬の品評会が流行していました。
現在でいうところの、ドッグショーです。
この犬の品評会は徐々に庶民にも広がっていき、産業革命によって豊かになった庶民が犬を飼育できるようになり、この頃から愛玩犬と呼ばれる小型犬が広まっていったのです。
愛玩犬はマルチーズやパピヨン、パグなどさまざまな犬種がいますが、どれも人間に愛されるためだけに作られた品種といえます。

犬と人間の関係の歴史

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最後に、本題である犬と人間の関係の歴史について解説します。
犬は、どのように人間と信頼関係を築いていったのでしょうか?

約2万年前にオオカミから家畜化された?

犬は、東アジアで約2万年から1万5千年前に家畜化されたといわれています。
ちなみに、ドイツの遺跡で約1万4千年前の人間の墓から、イヌ科の動物の小さな下顎骨が発見されており、少なくとも約1万年前からは人間と犬は生活をともにしていたと考えられるでしょう。

日本では奈良時代からペットとして飼われ始めた

日本でも、犬は古くから狩猟犬や番犬の目的で犬を飼っていました。
奈良時代や平安時代になると、犬は徐々にペットとして飼われるようになったといわれています。
ちなみに、その頃はペットとしてだけではなく、闘犬など人の娯楽となるような存在としても扱われていたため、現代のような飼われ方は稀だったのでしょう。

江戸時代になって本格的にペットとして扱われ始めた

犬がペットとして本格的に扱われ始めたのは、江戸時代になってからです。
江戸時代には、五代将軍徳川綱吉によって「生類憐みの令」が出されました。
ちなみに徳川綱吉は狆を100匹飼っていたといわれるほど動物好きで有名ですが、この「生類憐みの令」により、犬はペットとしての地位が確立されたのでしょう。

犬と人間の関係の歴史はとっても古い!

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犬と人間は、約2万年前から生活をともにしてきたといわれています。
犬の祖先はハイイロオオカミという説が有力ですが、もともとはオオカミが食事を楽に行うために、人間は危険をいち早く察知するために、お互いが利用し合う形で近づいたのだと考えられます。
その後オオカミは品種改良が繰り返されて、狩猟犬や番犬、そして愛玩犬と進化を遂げました。

現代ではペットとしての地位を確立しており、家族の一員として扱われる犬ですが、昔は家畜としての位置付けであり、場合によっては闘犬など人間の娯楽として扱われる存在だったのです。
これからも犬は人間に寄り添い、時には人間の力になってきて、時には人間に癒しを与えてくれる存在で居続けてくれることでしょう。

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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