【猫は液体!?】イグノーベル賞を受賞した調査報告「猫は液体である」の意味について解説!

世界中の猫好きが衝撃を受けた研究があります。
それは、「猫は個体かつ液体である」という研究で、この発表はイグノーベル賞も受賞しました。
この記事では、イグノーベル賞について、「猫は液体である」という研究の真偽について解説します。 2023年06月16日作成

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イグノーベル賞とは?

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まずは、イグノーベル賞はどんなものなのかについてご説明します。
何やらすごい賞であることはわかりますが、具体的にはどのようなものなのでしょうか?

ノーベル賞のパロディ

イグノーベル賞と聞くと、「ノーベル賞という名前が付いているから、すごい賞に違いない!」と感じるでしょう。
しかし、イグノーベル賞はノーベル賞と異なり、受賞したからといって世界的に称賛されるものではありません。
イグノーベル賞はAnnals of Improbable Reserchという雑誌が主催しており、授賞式はハーバード大学の関係組織がスポンサーになっている、ノーベル賞のパロディとしての位置付けを持つ賞です。
1991年から毎年続けられており、毎年異なる10部門の賞が授与されています。

イグノーベル賞のコンセプト

イグノーベル賞のコンセプトは、「最初に人々を笑わせ、それから考えさせる」というものです。
2017年に受賞した今回のテーマである「猫は個体かつ液体である」というものも、最初は思わず笑ってしまいますが、説明を聞くと「たしかにそうかも…」と考えてしまうかもしれません。
ちなみに、イグノーベル賞は誰でも参加することができるため、この記事を読んでいる人でも受賞する可能性は大いにあります。

イグノーベル賞を受賞した日本人はたくさんいる

2023年5月現在までに、イグノーベル賞を受賞した日本人は28人もいます。
受賞者は大学教授などもいますが、会社員なども受賞しており、有名人でいうとドクター中松氏が過去にイグノーベル賞を受賞しています。
ちなみに、ドクター中松氏は栄養学賞を受賞しました。

イグノーベル賞を受賞した「猫は液体である」とは?

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それでは本題である、イグノーベル賞を受賞した「猫は個体かつ液体である」という研究内容について解説します。
猫が好きな人でなくても思わず笑ってしまうような発表ですが、その真意は何なのでしょうか?

猫は流動学に通ずるものがある?

流動学、英語で言うところのレオロジーという学問があります。
流動学とは、力が加えられた状態で材料がどのように流動し、変形するかを研究する分野です。
これは、土に種を植えると土を突き破って苗が生えてきたり、雑草が伸びてくるとアスファルトを突き破ったりするなど、普段は硬いものでも何らかの力が加わることにより変形するというものです。
「猫は個体かつ液体である」という研究結果を発表したのは、フランスの研究者であるマーク・アントワン・ファルダン氏です。

液体と猫には共通点がある?

液体は、容器に合わせて形を変えます。
水を薄い皿に入れると水も薄く広がっていきますし、ペットボトルに入れると細長く変形します。
猫も、猫鍋に入る時はすっぽりと収まり、狭い通路を通る時にはするりと通り抜けることが可能です。
寝る場所や通る場所によって変形できる猫は、もしかして液体ではないかという説が今回の研究の趣旨となります。
当然ながら猫は液体ではないのですが、容器に合わせて変形できるという点で猫と液体には共通点があるため、「猫は個体かつ液体である」という説はあながち否定できないものになるというわけです。

マーク・アントワン・ファルダン氏のスピーチ

イグノーベル賞はあくまでノーベル賞のパロディであるため、長々とスピーチすることを許されてはいません。
授賞式はノーベル賞よりも緩い雰囲気で進行していき、受賞者のスピーチ時間は60秒と決まっています。
60秒後には会場にいる女の子から「もう飽きた」という厳しい催促があり、スピーチは終了となります。
「猫は個体かつ液体である」という研究結果で受賞したマーク・アントワン・ファルダン氏は、受賞の際にさまざまな流動性を示す写真を流し、会場を笑わせました。
ちなみに、マーク・アントワン・ファルダン氏はイグノーベル賞を受賞した際に「ノーベル賞を辞退するのは格好良いかもしれないが、イグノーベル賞を辞退するのは格好悪い」との理由から、受賞の意思表示を示したと言われています。

2017年にイグノーベル賞を受賞したほかの研究内容

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イグノーベル賞は、毎年面白くて考えさせられる発表があります。
「猫は個体かつ液体である」が受賞した2017年には、ほかにどのような研究が受賞したのでしょうか?

洞窟棲昆虫におけるメスの陰茎(ペニス)とオスの膣(ヴァギナ)の発見

シラミに近い微小昆虫であるチャタテムシの一属の交尾器がオスとメスで逆転していることを発見した、北海道大学の研究者らが2017年のイグノーベル賞の生物学賞を受賞しました。
通常であればオスがペニスを持っていますが、チャタテムシはメスがペニスのような器官を持っており、それを使ってオスと交尾することを解明しました。
ちなみに、交尾器が逆転した理由は、交尾の際にオスが精子と一緒に栄養分をメスに渡すことにより、メスが進んで交尾をコントロールできるようになったのではないかと考えられています。

コーヒーを運びながら後ろを歩くときに何が起こるのか

コーヒーカップを手にして歩く時に、コーヒーをこぼしてしまう現象を研究した韓国人が、2017年の流体力学賞を受賞しました。
これはワイングラスにコーヒーを入れて4ヘルス相当の振動を発生させたときは表面に穏やかな波が生じることに留まりますが、円筒形マグカップにコーヒーを入れて同じ振動を発生させると、コーヒーが外に飛んでしまう現象を実験したものです。
ちなみに、カップの上部を手で握れば共鳴振動数が下がり、カップに入ったコーヒーが外に飛びにくいという事実も発見しました。
このように、どこか笑えるけど考えさせられる、かつ実用的なものもあるのが、イグノーベル賞であるといえます。

当然ながら猫は個体。だけど…

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世界中の人が知っているとおり、猫は個体です。
しかし、2017年にイグノーベル賞を受賞した「猫は個体かつ液体である」という説も、完全に否定することはできないでしょう。
容器に合わせて形状を変えることができる猫は、もしかしたら液体でもあるのかもしれません。
思わず笑ってしまうけど少し考えさせられるイグノーベル賞ですが、どのような受賞者が現れるのか今後も目が離すことはできなそうです。

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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