命に係わることも?犬のワクチン接種後の副作用について

犬は混合ワクチンや狂犬病の予防接種など、年に数回ワクチン接種をする機会があります。
ほとんどの犬に副作用が現れることはないでしょうが、まれに副作用が見られることがあるため、注意しなければなりません。
この記事では、犬のワクチン接種後の副作用や予防方法についてご紹介します。 2020年12月24日作成

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犬のワクチン接種後の副作用とは?

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まずは本題である、犬のワクチン接種後の副作用について見てみましょう。
場合によっては命に係わる可能性もあるため、ワクチンを接種した後は気を付けて愛犬を観察する必要があります。

副作用の症状

犬がワクチン接種後の副作用は、どのような症状が見られるのでしょうか?
軽度であれば、元気がなくなったり、食欲がなくなったりします。
ですが、これは1~2日様子を見ることで良くなることがほとんどです。
中度の症状では、顔や唇の腫れが見られます。
顔の腫れに関しては、飼い主が見てすぐに気が付くほど腫れるはずです。
そして重度の副作用は、アナフィラキシーショックが現れます。
これはワクチン接種から30分以内に起こることが多く、呼吸困難や痙攣、嘔吐などの症状が挙げられます。
アナフィラキシーショックは、すぐに対処を行わなければ命に係わる可能性が高いため、注意が必要です。

副作用が起こる原因

犬のワクチン接種後の副作用の原因は、ワクチンに含まれている防腐剤や病原体に対してアレルギー反応が起こってしまうためです。
ワクチン接種による副作用は約0.006%、約15000匹に1匹の確率で現れるといわれています。
副作用は、先述したとおり重症化することもあるため、注意しなければなりません。

副作用はワクチン接種後どれくらい経つと起こる?

軽度や中度の副作用であれば、ワクチンを接種した後数時間から24時間以内に発生することが多いです。
獣医師が「ワクチン接種をした日は安静にしておいてください」というのは、副作用が起こる可能性を懸念しているのでしょう。

一方で重度の副作用であるアナフィラキシーショックは、先述したようにワクチン接種後30分以内に突然発生します。
アナフィラキシーショックの場合は、すぐに対処をしなければ命に係わる可能性が高いため、注意しましょう。

ワクチンの副作用の予防方法

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次に、ワクチンの副作用の予防方法についてご紹介します。
これを行うことでかならず副作用を防ぐことができるわけではありませんが、知っておいたほうが良いことは確かです。

抗体検査

ワクチン接種をすることによる副作用が心配であれば、抗体検査を行うと良いでしょう。
抗体検査を行うことで、犬の感染症に対する抵抗力を調べて、必要なものだけワクチン接種をすることができます。
抗体検査は、場合によっては1万円以上することがあるため、必要に応じて行うことがおすすめです。

体調不良のときを避ける

犬が体調不良である場合は、ワクチン接種は避けましょう。
元気で体調に問題がない場合にのみワクチン接種を行うことで、もしも副作用が起こっても重症化を予防することができるはずです。

ワクチンの種類を減らす

犬のワクチンは、さまざまな種類があります。
一番多いものであれば、8種混合ワクチンです。
少ないものは、3種まで抑えることができます。
もちろんさまざまな感染症から犬を守るのであれば、8種混合ワクチンのほうが安心ですが、ワクチンの種類が多いということはそれだけ副作用の確率も高くなるということです。
そのため、獣医師と相談して地域で流行しがちな感染症などに絞ってワクチン接種を行うと良いでしょう。

シニア犬の場合は回数を減らす

免疫力が衰えているシニア犬に万が一副作用が起こると、症状が強く出る可能性があるため、気を付けなければなりません。
そのため、獣医師によってはワクチン接種を見送ったほうが良いと勧めている動物病院もあります。

犬のストレスを軽減する

ワクチン接種前に犬にストレスを与えると、ワクチン接種後に体調を崩してしまうことがあります。
また、動物病院や注射が嫌いな犬は、ストレスを感じることにより副作用のような症状が見られることもあるでしょう。
そのため、ワクチン接種前に犬にストレスを抱えるようなことは避けて、なるべく動物病院が好きになるような努力をすることをおすすめします。

妊娠中や発情期などは避ける

妊娠中や授乳中、発情期などのワクチン接種は避けたほうが無難です。
おそらく動物病院へワクチン接種に行ったとしても、獣医師から止められるでしょう。

摂取後はしばらく動物病院の近くで様子を見る

アナフィラキシーショックが起こってもすぐに対処することができるように、ワクチン接種後はしばらく動物病院の近くで様子を見ることをおすすめします。
可能であれば、獣医師に相談した上に動物病院内で様子を見たほうが良さそうです。
もしもそれが難しければ、車内で安静にしながら様子を見ても良いでしょう。

ワクチンの副作用が現れたときの対処方法

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もしも犬にワクチンによる副作用が現れた場合は、どうすれば良いのでしょうか?
正しい対処方法を知っておくことで、重症化を抑えることができるはずです。

様子を見る

副作用の症状が軽度であれば、少し様子を見ましょう。
「普段よりも少し元気がないかな?」と感じることもあるでしょうが、次の日には体調が良くなっている場合もあります。

動物病院へ連れて行く

顔が腫れたり蕁麻疹(じんましん)が出たりしたときは、動物病院へ連れて行きましょう。
中度の症状であれば、放置しておくよりも獣医師に診てもらったほうが確実です。
また、アナフィラキシーショックの症状が現れた場合は、1秒でも早く動物病院へ連れて行かなければなりません。
動物病院では、ステロイドや抗ヒスタミンなどのアレルギーに対応する薬剤の投与を行います。
重篤化しているようであれば、酸素吸入や点滴などの集中治療を行うこともあるでしょう。

副作用が起こった場合はすぐに対処をしよう

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犬にワクチン接種をしても、副作用が起こることは少ないです。
しかし、万が一副作用が起こった場合には、重篤化することは避けなければなりません。
顔が腫れるなどの中度の症状はもちろん、アナフィラキシーショックであればすぐに対処をする必要があります。
犬の健康を守るためにもワクチン接種は大切ですが、日々のチェックやアフターケアもしっかりと行うようにしましょう。

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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