飼い猫を「去勢しない」という選択、もう一度よく考えて

一般家庭に猫を迎える場合、避妊・去勢手術をすることが推奨されているのには理由があります。去勢手術のメリット・デメリットと共に紹介します。 2020年09月10日作成

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猫を迎える際に知っておきたいこと

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猫を飼うことになり、動物病院に連れていくと必ずといっていいほど去勢手術について飼い主さんの意向を聞かれます。一般家庭で猫を飼う場合、子どもをもうける予定がなければ、避妊・去勢手術を勧められることが多いです。

しかし、飼い主さんの中には、「完全室内飼いで他の猫との接触機会がないのに、なぜ去勢手術を勧められるのか」「子猫にメスをいれたくない」「自然な姿のままの方が良いのではないか」など、疑問に思う方もいるでしょう。その結果、去勢しないという選択に至るかもしれません。

猫の避妊・去勢手術が推奨されるのには、いくつかの理由があります。去勢しないという選択をする前に、避妊・去勢手術がなぜ推奨されるのか、その理由とメリット・デメリットをよく知ることから始めましょう。「去勢手術はするけど、なんだか猫に悪いな…」と感じている飼い主さんにとっては、こうした情報がきっと役にたつはずです。

猫の避妊・去勢手術が推奨されている理由

なぜ、猫の避妊・去勢手術が推奨されているのか、見てみましょう。まず、猫は犬や人間に比べるとはるかに妊娠しやすい動物で、1度に2匹~6匹も子どもを産みます。子猫をとる予定の家庭であれば嬉しい出来事でしょうが、そうでない場合はたくさんの子猫を育てざるを得ないことにもなりかねません。室内飼いのメス猫が、うっかり外に出てしまった際に妊娠した、ということも起こり得ます。

また、避妊・去勢手術を行うことで予防できる病気もあります。例えば、乳腺腫瘍です。猫が乳腺腫瘍にかかると、ほとんどの場合悪性で、命にかかわる病気と言っても過言ではありません。発情前に避妊手術を行うと、乳腺腫瘍の予防につながると言われています。

避妊・去勢手術をしない猫の場合、発情期を迎えると繁殖本能が強く働き、大きな声で鳴き続けたりイライラしたりします。オスの場合は、スプレー行動といって、家中のあちこちにおしっこをかける行動も見られます。これらは、しつけで治るものではないため、発情に伴う困った行動は避妊・去勢手術をしない限りおさまることはありません。

もし、子猫をとる予定がないにも関わらず、避妊・去勢手術をせずに室内飼いをした場合、相手がいなければ妊娠したり妊娠させたりすることはありません。ただ、猫にとってはいつまで経っても発情に伴う欲求が満たされず、ストレスが溜まる状況が続くでしょう。

避妊・去勢手術を行うメリットとデメリット

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「相手がいないんだから、去勢しない」と考える飼い主さんも、これまでの情報で考え方が少し変わった人もいるかもしれません。猫の避妊・去勢手術を行うメリットとデメリットについて簡単にまとめてみます。

メリット

発情がなくなり、それに伴う大きな鳴き声やイライラ、マーキング行動の緩和につながります。交尾ができない状況へのストレスもなくなり、攻撃性なども緩和されることも多いです。ただし、これには個体差があり、必ずしも攻撃性などが落ち着くわけではありません。去勢手術を行ったとたんにマーキング行動をしなくなったという例はとても多いですが、少なからずそのような行動が残っている猫もいるようです。複数の猫と一緒に暮らしている場合や、屋外に出る可能性のある環境では妊娠のリスクがなくなります。

デメリット

麻酔や手術は、100%の安全が約束されるものではありません。猫の多くが受ける手術ではあるものの、飼い主さんはその点についてよく理解しておく必要はあります。また、当然ながら避妊・去勢手術を行うと繁殖はできませんので、子猫を授かることはなくなります。さらに、ホルモンの変化により太りやすくなります。食欲は増進するものの代謝は落ちるため、肥満リスクが高まる点にも注意が必要です。これらのデメリットについては、動物病院でしっかりと説明を受けるかと思いますが、不安なことや分からないことは納得ができるまで獣医さんに確認されることをおすすめします。

猫の避妊・去勢手術の流れ

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去勢しない、させたくないと考える飼い主さんの中には、避妊・去勢手術についてよく知らないという人も多いのではないでしょうか。実際にどのよう流れで手術が行われるのか見てみましょう。

手術前

手術前日は、多くの場合、夜から絶食するように指示されます。これは、胃の中に残留物があった場合、麻酔をかけた時に逆流してしまう恐れがあるからです。病院に着くと、血液検査やレントゲン検査を行い、異常がないか確認してもらいます。問題がなければ、鎮痛剤や抗生剤の入った点滴をうち、麻酔をかけます。

手術

オス猫の手術は、睾丸の摘出が行われます。ほとんどの病院で縫合の必要がない方法の手術が行われています。メス猫の場合、おへそと股の間を切開し子宮と卵巣の摘出が行われます。縫合があるため、後日抜糸のために再受診する必要があり、それまでの間は縫合糸を噛みちぎってしまわないようにエリザベスカラーをつけることもあります。

オスの場合手術にかかる時間は約10分、メスでも30分程度です。麻酔から目が覚めるまでに30分~1時間程度要します。オスは日帰りで行う病院が多いですが、メスの場合は日帰りできる病院と1~2泊入院となる病院とがあります。

手術後

抗生剤や消炎剤などの処方をされるため、獣医さんの指示にしたがって与えます。傷口を守るためにエリザベスカラーをつけるなどして、傷口が開いてしまわないように配慮し、メスは抜糸を終えるまで注意深く様子をみてあげましょう。

1匹だけの室内飼いでも避妊・去勢手術は検討すべき

今回は、猫の避妊・去勢についてご紹介しました。例え、完全室内飼いの猫が1匹だけだとしても、避妊・去勢手術をするメリットは多くあります。これまで、妊娠の可能性がないから去勢しないと考えていた飼い主さんも、今一度検討してみてはいかがでしょうか。もちろん、手術に伴うリスクはゼロではありません。不安な点は獣医さんに相談してみましょう。

参考サイト

ベッツ アニマル クリニック瀬戸(参照日2020-7-20)
https://www.vets-ac.com/contents/castrate/

著者情報

こば

小さな頃から保護された犬や猫を迎えて生活。現在は黒猫の「ジジ」に翻弄されながら、発見と感動の毎日を送っています。
実体験を振り返りつつ、飼い主さんの役に立つような情報を分かりやすく記事にすることを目標にしています。

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