うちの猫はとうもろこしに興味深々!食べさせても大丈夫?

猫が食べられる食材は、人間とは違います。今回は、とうもろこしに焦点をあて、猫が食べても大丈夫なのか、また注意点はあるのかご紹介していきます。 2020年07月10日作成

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とうもろこしが大好きな猫がいる!?

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肉食動物の猫は、もともと穀物や野菜の消化が苦手です。しかし、飼い主さんが食べるものに興味を示したり、欲しがったりする猫は意外といます。興味を示すだけならまだしも、時には食べたくて堪らない!と言わんばかりにアピールする猫もいますよね。実際に、猫がとうもろこしを美味しそうに食べる動画や画像をインターネット上で見かけることがあります。

家族でとうもろこしを食べていたら、物欲しそうに猫がやってきた…。みなさんなら、どうしますか?普段、食べ慣れていないものをあげようとする時には、躊躇する飼い主さんが多いのではないでしょうか。

基本的には猫がとうもろこしを食べても大丈夫

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結論から言うと、基本的には猫がとうもろこしを食べることについては問題ないとされています。もちろん、量や与え方などについてはいくつかの注意点があるため、事前にしっかりと把握しておく必要はあるでしょう。注意点を守らずに、猫が欲しがるだけとうもろこしをあげてしまうと、健康を損なう可能性が出てきます。

このように、とうもろこしは猫に与えても大丈夫な食材ではあるものの、なければないで全く問題にもならない食材です。むしろ間違った知識のもと与えてしまうことで、健康を損ねる可能性があることを知っておきましょう。

キャットフードにとうもろこしが含まれていることも多い

普段あげているキャットフードの原材料名を見ると、とうもろこし(コーン)が含まれているかもしれません。とうもろこしには様々な種類がありますが、キャットフードの原材料名には細かく記載されず、とうもろこしあるいはコーンと表記されることが多いようです。また、とうもろこしに由来する加工品等として、コーングルテンやコーンフラワー、ホミニーフィード、コーングルテンミールなどがあります。

特に、とうもろこしのタンパク質溶液を濃縮し乾燥させたものを粉末状にしたコーングルテンミールは、タンパク源としてトップ表記されることもあります。しかし、近年ではキャットフードへの意識が高まり、猫にとってのナチュラルフードは肉だとする考えが広まったことで、とうもろこしなどの穀物が使われていないグレインフリーのものも多く販売されています。

キャットフードにとうもろこしが使われることについては、賛否両論あります。しかし、とうもろこしが猫の体に良くないとする明確な根拠はないとする意見が多く、ダイエットのために配合されているケースもあります。

とうもろこしの栄養素

では、とうもろこしの主な栄養素を確認してみましょう。とうもろこしにもたくさんの品種がありますが、日本に多く出回っているのはスイートコーンです。その名の通り甘味が強く、糖質を多く含みます。それ以外の栄養素は、炭水化物、脂質、ビタミンB1、B2、アスパラギン酸、グルタミン酸、カリウムなどです。また食物繊維を多く含むため、便秘が気になる方は積極的に取り入れたい食材といえます。

では、便秘している猫にとうもろこしは有効なのでしょうか。不溶性の食物繊維が含まれるので排便を促進する働きはあるかもしれませんが、愛猫が便秘ぎみだからといって、とうもろこしをたくさん与え過ぎてはいけません。特に糖質・脂質を多く含む食材なので、ハイカロリーであることは言うまでもなく、肥満につながってしまいます。

猫にとうもろこしをあげる際の注意点

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では、実際にとうもろこしを猫にあげる際に気を付けておきたいポイントを見てみましょう。

あげすぎに注意

先程も少しご紹介したように、肉食動物である猫は人間と比べると穀物の消化が苦手です。そのため、たくさん食べすぎると下痢、嘔吐、胃腸炎などにつながるリスクも考えられます。また、とうもろこしは何も味付けしなくても美味しく食べられるほど、糖分や塩分がもともと含まれている食材です。食べすぎによって肥満を招きやすくもなり、腎臓病や泌尿器の病気、糖尿病などのリスクが高まる可能性があります。猫にとうもろこしをあげる時の目安は、1粒~2粒程度。あまりたくさんあげないようにしましょう。

アレルギーの有無を確認

とうもろこしをあげて皮膚のかゆみなどが発生した場合は、アレルギーの可能性があります。猫の食物アレルギーはとうもろこしに限らず小麦や米などもなり得ますが、特に初めて食べる食材には注意が必要です。もし、とうもろこしを食べた後に普段と違う様子が見られた場合は、動物病院への受診をおすすめします。

また、猫にとうもろこしを与えても問題ないとはいえ、ポップコーンやトウモロコシを配合したクッキーやパンなど人間用のお菓子類は、猫には適していません。塩や砂糖が多く含まれますので、与えないように注意しましょう。

下味はつけない

人間がとうもろこしを食べる時には塩茹でにしたり醤油をつけて焼いたりして、より美味しく食べられるように調理しますよね。しかし、先程も触れたようにとうもろこしにはもともと糖分や塩分がしっかりと含まれている食材です。猫にとっては、ほんの少しの調味料でも摂りすぎになってしまうため、何も味付けしていないものをあげましょう。

薄皮は取り除く

とうもろこしの薄皮は、猫の喉にひっかかってしまう恐れがあります。一粒をまるごとあげるのではなく、刻んだり皮をむいたりして食べやすいようにしてあげましょう。小さく刻めば、消化の助けにもなるのではないでしょうか。

猫に与えていいのは、実の部分だけです。外側の葉・ひげの部分は消化に悪いものですので、与えるのは避けましょう。仮に、薄皮や外葉、ひげなどを食べてしまった場合は、様子を見て、心配なときは獣医師に診てもらうようにしてください。

生の状態や芯をあげるはNG

当然ですが、とうもろこしは生で食べる食材ではありません。人間も、食べるときには必ず茹でたり焼いたりして火を通しますね。猫にあげる時にも、きちんと加熱しましょう。さらに、とうもろこしの芯は噛んで遊べるおもちゃになりそうと考えるかもしれませんが、これは避けた方が良いです。とうもろこしの芯を噛みくだいて飲み込んでしまうと、喉に詰まったり腸閉塞を起こしたりするリスクが高まります。

とうもろこしは積極的に食べなくても問題ない食材

とうもろこしは、猫が好むようであれば少量与えても基本的には問題ありません。しかし、わざわざあげる必要はない食材とも言えます。とうもろこしを食べることが猫の健康を増進するわけではありません。

猫に必要な栄養素は、総合栄養食として販売されているキャットフードを食べればきちんと摂取できます。しかし、猫が好きなものを食べさせてあげる時間は、飼い主との良い関係を築く上でとても大事です。これは、とうもろこしに限らずどんな食材にも言えることですが、適量を守り猫にとっての安全性を確認しながらあげる必要があります。

猫の食事はバランスよく安全に配慮して

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今回は、猫にとうもろこしをあげても大丈夫なのか、注意点とともにご紹介しました。少量であれば問題ないケースがほとんどですが、猫によってはアレルギーを起こす可能性もあるため注意が必要です。いくら猫が好むからといって、好きなだけ食べさせるのは良くありません。猫の食事は、必要な栄養がバランスよく摂れるかどうかが大事です。この記事は、猫にとうもろこしをあげることを推奨するものではありません。猫にあげる食材は、必ず食べても大丈夫なものかどうか調べ、慎重に与えましょう。

参考サイト
文部科学省 食品成分データベース「とうもろこし」(参照日2020-6-18)
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=1_01131_7

著者情報

こば

小さな頃から保護された犬や猫を迎えて生活。現在は黒猫の「ジジ」に翻弄されながら、発見と感動の毎日を送っています。
実体験を振り返りつつ、飼い主さんの役に立つような情報を分かりやすく記事にすることを目標にしています。

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