猫にとって危険なマスカット。マスカットがダメな理由とは?

甘くみずみずしい果肉が魅力のマスカット。旬の時期になると、そんな甘いマスカットを猫に食べさせたいと考える人もいるかもしれません。
しかし、マスカットは猫に与えてはいけない食べ物のひとつなのです。 2020年06月07日作成

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猫にマスカットは絶対に与えてはダメな理由

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猫にマスカットを与えるということは、猫を危険に晒すことになります。
それでは、なぜそれほどまでに猫にとってマスカットは有害な食べ物なのでしょうか?
まずは、猫にマスカットを与えてはいけない理由を見てみましょう。

急性腎不全になる危険性がある

マスカットは、猫にとって玉ねぎなどのねぎ類と同等の危険な食べ物です。
なぜならマスカットは、猫の急性腎不全を発症させる可能性が考えられるためです。
急性腎不全とは、急激に腎臓の働きが低下する病気のことをいいます。
下痢や嘔吐を繰り返し、尿が排出されない無尿症の症状が出ますが、これも急性腎不全によるものです。
もしも急性腎不全を発症すると死に至る危険性が高いため、特に注意しなければなりません。
猫の死因で一番多いのは癌といわれていますが、がんに次いで多い死因はこの急性腎不全です。
このことからも、急性腎不全が猫にとってどれだけ大変な病気かわかっていただけるでしょう。
急性腎不全の発症リスクが高いため、猫にマスカットを与えてはいけないのです。

猫はなぜマスカットを食べると急性腎不全になるの?

実は、猫が食べてはいけない食べ物の中の代表格でもあるぶどう類を食べることで、なぜ急性腎不全を発症するのかは、未だわかっていません。
マスカットに含まれる何らかの成分が猫にとって有害であることは間違いないです。
もし原因が解明されていないとしても、絶対に猫にマスカットを与えることはやめましょう。

マスカット以外のぶどう類は与えても大丈夫?

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マスカットが、猫にとって有害であることは理解いただけたでしょうか?
それでは、マスカットに似たピオーネなどは与えても良いものなのでしょうか?

ぶどう類はすべてダメ!

結論からいうと、マスカットのほかピオーネ、レーズンなどすべてのぶどう類は猫に与えてはいけません。
そのどれもが、急性腎不全を発症するリスクが高くなってしまいます。
そのほかの猫が食べても良い果物であれば、少量であれば問題ないでしょう。
しかし、マスカットに限っては少量でも与えてはいけないことを覚えておかなければなりません。

ドライフルーツもダメ!

猫の手作りフードを作る際、さまざまな栄養素を考えてレシピを考えるでしょう。
その中に、効率よくビタミンなどの栄養を摂るために、果物を入れる人もいるかもしれません。
そして猫が食べやすいようにと、ドライフルーツを与える人もいるでしょう。
もちろん猫が食べられる果物もありますが、間違ってもマスカットはドライフルーツであっても与えてはいけません。
むしろドライフルーツにすると水分が蒸発した分、成分が凝縮されているため、生のマスカットよりも危険であると考えられます。
また、ドライフルーツは粒が小さいため、誤って猫がマスカットを食べてしまったときに、大量に食べてしまうリスクもあるでしょう。

猫がマスカットを食べたときの対処方法

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私たち飼い主がどれだけ気を付けていても、目を離した隙に猫がマスカットを食べてしまうかもしれません。
それでは、もし猫がマスカットを食べてしまったときは、どのように対処すれば良いのでしょうか?

すぐに動物病院へ連れて行く

やはり一番の方法は、猫がマスカットを食べてしまったら、すぐに動物病院へ連れて行くことです。
猫がマスカットを食べて1時間以内であれば、まだ体内に吸収はされていないかもしれません。
そのため、一刻も早く獣医師に診てもらうようにしましょう。
早ければ早いほど、猫の治療は簡単なもので済む可能性が高くなります。
嘔吐を促すだけの治療で済むのであれば、猫にとって負担も少ないでしょう。
受付で猫がマスカットを食べたこと、食べてから何分経過したかも伝えるようにすると、早く治療に進むことができます。

無理やり吐かせない

猫にとって危険な食べ物であるマスカットを猫が食べてしまった場合、無理に吐かせようとしてはいけません。
塩を無理やり食べさせたり、塩水を使って吐かせるといった方法を聞きますが、絶対にしてはいけません。
塩は猫の腎臓にさらに大きな負担になってしまいますし、何より絶対に吐くといった確証はないからです。
むしろ、さらに急性腎不全の症状を悪化させる危険性があるため、絶対にしないようにしましょう。
急性腎不全の対処方法の正解は、自己判断をせずに動物病院へ連れて行くことしかないのです。

自己判断はしないこと!

私たち素人が猫の様子を見たところで、マスカットを食べてしまった猫の症状がどれだけ進行しているかは判断できません。
何よりも、マスカットに関しては食べてから1時間以内がとても大切になります。
素人判断で様子を見ていると、時間だけがどんどん過ぎ、徐々にマスカットの成分が猫の体内に吸収されてしまいます。
そのため、猫がマスカットを食べた場合は自己判断せずに、すぐに動物病院へ連れて行かなければならないことを覚えておきましょう。

絶対に猫がマスカットを食べないように!

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ご説明したとおり、猫がマスカットを食べることで、急性腎不全のリスクが急激に高まってしまいます。
急性腎不全は発症をすると、すぐに対処しなければ死に至る可能性が高い、とても危険な病気です。
もしも猫がマスカットを食べてしまった場合は、すぐに動物病院へ連れて行く必要があります。
素人判断で猫を無理やり吐かせたり、様子を見たりすることは絶対にやめましょう。
私たち飼い主ができることは、猫がマスカットを誤って食べてしまわないようにしっかりと管理をすることです。
猫の手が届く場所に食べ物を置かないことは基本として、食卓の上にある食べ物を猫に与えることもしないようにしましょう。
一度でも食卓の上にある食べ物を猫に与えてしまうと、猫は食卓に置いてある食べ物は食べても大丈夫と理解してしまいます。
それこそが、猫がマスカットを食べることに繋がるかもしれません。
手作りフードを与えている人を除き、猫にはキャットフード以外を与えないようにしたほうが良いでしょう。

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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