犬の皮膚炎の種類と治療について

動物病院で見かける症状として、実はどの犬種にも多いのが皮膚炎です。皮膚炎とは犬種を超えて発症するものですので、その皮膚炎の種類を飼い主さんが知っておくことは重要なことです。常に皮膚を清潔に保つことを基本姿勢として忘れないようにしてください。 2019年04月25日作成

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犬の皮膚炎種類について

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犬の皮膚炎は大きく分けて3種類あります。

・アレルギー由来のもの
・寄生虫由来のもの
・皮膚疾患由来のもの

まずはどの皮膚炎にかかっているのかを、判断することが適切な治療への早道です。それでも、犬は被毛に覆われているので痒みの部分を目視することが、なかなか困難です。痒みを訴えている部分の被毛をかき分けて、まずは飼い主さんの方で皮膚の状態を観察することが重要です。そこから皮膚の治療が始まります。

原因がそれぞれにあっても、犬の痒みは人間が想像するよりも強く、不快なものです。そこをよく見極めてあまり時間を置かずに獣医さんに相談に行くことをお勧めします。

犬のアレルギー性皮膚炎とは?

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犬が食べ物や接触性のものに対して、何らかのアレルギーを起こすと皮膚炎という症状になって表面に出てきます。主に、食物アレルギーが皮膚炎の原因になることが多く、普段は何の気にも留めずに食べていたものが、アレルギー性皮膚炎を引き起こしているということも、よくあることなのです。あまりにも、皮膚炎の状態が酷い場合には動物病院で、アレルギーの検査を受けることで、アレルゲンになっているものが何かを特定することができます。

アトピー性皮膚炎の場合も

食べ物が原因でアレルギー性皮膚炎を起こす場合とは別に、犬にはアトピー性皮膚炎というものがあります。この場合には、本来は健康に皮膚のバリア状態は保たれていることに対して、急激にバリア機能が低下するこ都が原因となります。何らかのアレルゲンが皮膚の中から、体の中に入り込むことで、皮膚の状態は急激に悪くなるのです。

逆に言えば、体内にアレルゲンが侵入しなければ、アトピー性皮膚炎は起きないのです。実のところ、発症確率は非常に高く、アトピー性皮膚炎で皮膚の痒みを訴える犬は案外と多いのです。単に皮膚が痒いという症状だけを軽く受け流さずに、獣医さんにしっかりと診察をしてもらって、犬の痒みの軽減に努めることが飼い主さんとしての務めです。

寄生虫が原因の皮膚炎について

散歩などで草むらを歩いていると、どうしても外部寄生虫が皮膚に付着して、皮膚炎を起こすことがあります。皮膚の表面から内部に渡って強烈な痒みを発症させますので、気が付いた時点で適切な治療を受けることが必要です。代表的なのは、ノミダニという寄生虫です。特に気温が高くなる春先から夏頃には、寄生虫の発症率も高いのできちんと予防処置をすることが必要です。

皮膚病が原因の場合

犬に多い病的な皮膚炎にマラセチア皮膚炎があります。独特な臭いを発しますので、普通の皮膚病とは違うということに、飼い主さんはすぐに気が付きます。皮膚がべたついてしまいフケが急激に増えるのも症状の一つです。そもそも、皮膚の表面には常在菌の存在があります。そこに、マラセチアという菌が異常に増えることで、マラセチア皮膚炎という状態に陥ってしまうわけです。

脂漏症からの病変

体内の脂質バランスが何らかの形で崩れたときに、皮膚がべたついてしまう脂漏症になります。これはマラセチアを増やしてしまうきっかけにもなるので、要注意です。主に皮膚の状態が劣悪化してしまうので、早く気づける場合もあります。赤みから大きなフケが出始めて皮膚が黒ずんでしまうのが、代表的な症状です。

犬の皮膚炎治療について

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まずは皮膚炎の種類をきちんと区別したうえで、検査が必要な場合には、血液検査でアレルゲンを特定するなど、順次治療を進めていきます。なぜ常在菌が増えてマラセチア皮膚炎になったのか?ということについても検査も必要です。一般的に犬にとっては痒みが皮膚炎の症状ですが、原因はそれぞれです。スキンケアや投薬、そして食事療法などを試みて早期に、痒みと皮膚の改善を目指すことが、犬の皮膚疾患には欠かせません。

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UCHINOCO編集部

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