症状別にみる犬の病気~尿に関するコト~

尿の異常から病気がわかることがあります。尿の濃さや、回数、色や臭いなどをチェックして、いつもと違う時は速やかに動物病院を受診してください。 2019年08月02日作成

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尿の色が変化している

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尿の色から病気を推測することができます。出血があれば尿の色が赤っぽく変化します。膀胱炎や腫瘍などが出血を起こしている原因かもしれません。膀胱炎を引き起こす細菌の感染がないかは培養検査で精査でき、原因菌にあった抗生物質を使って治療します。膀胱炎は再発することも多く、その都度検査が必要になりますので、根気が必要です。また、膀胱炎では結石症を伴っていることも多く、結石の有無も尿検査で確認する必要があります。結石は種類によっては食餌を変えるだけで改善する場合があります。しかし、結石が尿路を閉塞すると緊急手術が必要になりますので注意が必要です。腫瘍を疑うような病変がないかは、超音波検査で確認します。腫瘍が疑われる場合は病理検査や遺伝子検査も併せて精査します。

腎臓に障害が起きている尿

腎臓病になっている犬では、尿が薄くなります。腎臓が濃い尿を作れなくなってきており、老廃物を十分に排泄するために尿量が増加します。血液検査で腎臓の数値に異常がないかも確認し、初期の腎臓病であれば食餌療法で治療します。腎臓病は進行をいかに遅らせるかが重要ですので、早期発見が大切です。尿量が増加するため飲水量も増加します。最近よく水を飲んでいるかもと心当たりがある場合は動物病院に連れて行きましょう。

尿の色で病気を推測できる

尿の色が濃く黄色い場合には、水分不足や膀胱炎を起こしている可能性があります。極端に薄い場合、上記に説明したように腎臓病の可能性が考えられます。赤い色やピンク色のような尿の場合、尿石症、膀胱炎や腫瘍が原因で出血している可能性が考えられます。また、溶血があって血色素尿になっている可能性も検討しなければいけません。

尿の量が少ない

尿の量が少ない、もしくは全く出ない場合、特に注意が必要です。腎不全の末期の可能性があります。その場合、尿毒症を起こし、やがて死に至ります。

尿石症、前立腺腫瘍や膀胱腫瘍によって尿路が閉塞してしまえば、尿量が少なくなる、あるいは完全閉塞で尿が出なくなります。この場合尿は作れているが、物理的な障害で排泄できないという状態です。この状態では急性腎不全を引き起こしてしまいますので、緊急的な処置が必要になります。前立腺腫瘍、膀胱腫瘍は悪性のことが多く、経過に十分な注意が必要になります。

去勢していない雄では老化に伴い前立腺が肥大することがあり、これでも尿の排泄が少なくなります。去勢手術はこのような病気を予防する意味でもメリットがあります。

尿の量が多い

一般的に腎臓に細菌感染が起きると水を飲む量が増えて排尿も多くなります。膀胱炎や腎盂腎炎になると尿の量が増えてしまいます。多飲多尿はいずれにしても良くない状況です。ホルモンのバランスの関係で尿の量が増えるときもあります。とにかくいつもの尿の量よりも多い少ないというのは、明らかに異常が起きているサインです。

尿の量が増える病気

腎不全になると尿量が増えると説明しましたが、他にも尿量が増える病気があります。内分泌系の病気であるクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)のほか、避妊をしていない雌犬では子宮蓄膿症などがあります。

尿でわかる病気は多い

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これまで説明したように、尿の状態がヒントとなって診断・治療に結びつく病気があります。日ごろから尿の状態をチェックするようにしましょう。そうすれば病気の早期発見に役立ちます。

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UCHINOCO編集部

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