犬が舌を出している理由とは?怖い病気にも注意!

犬が舌を出している様子はよく目にするのではないでしょうか。ハァハァしていたり、ペロペロとしていたり、その仕草は様々です。実は犬が舌を出しているのにはいくつかの理由があり、場合によっては怖い病気のサインの可能性もあるのです。病気の早期発見のためにも、舌を出している理由をよく理解しておきましょう。 2019年12月18日作成

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犬が舌を出している理由とは?

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犬が舌を出しているのには、いくつかの理由があります。中には怖い病気のサインの場合もあるので、放置すると手遅れになる可能性もあります。犬が舌を出している理由をしっかり理解し、必要な対処を行うようにしましょう。

体温調節

犬が興奮したり、走ったりすると「ハァハァ」と呼吸し、舌を出すのを見たことがあるかもしれません。犬は汗腺が人よりも少なく、汗をかくのは鼻と肉球だけなので、口を開けて呼吸し、唾液を蒸発させて体温を調節します。短頭犬種は体温調節が効率的でないため、熱中症にかかりやすいとされています。夏は散歩で熱中症になるリスクもあるため、水分補給や温度調節に注意する必要があります。

リラックスしている

犬が寝ている時や興奮していない時にも、舌がペロっと出ている場合は、リラックスしていることが多いです。人間もリラックスすると口周りの筋肉が緩んできますよね。犬も同じように口周りの筋肉が緩むため、舌が出てしまう場合があります。寝ている時に舌先が乾いてしまう心配はありますが、ほとんどの場合は問題ありませんので、起こさずにそのままにしておきましょう。

気持ちを落ち着かせたい

緊張している時やストレスを感じた時、頻繁に舌を舐める犬がいますが、これは「カーミングシグナル」と呼ばれ、自分自身を落ち着かせ、相手の気持ちを和らげるための行動です。人間でいうと唾を飲み込むような仕草に近いとされています。

口腔内の病気

口の中に腫瘍があったり、炎症を起こしている場合などは、舌が出っぱなしになっていたり、口の中の違和感からペロペロすることがあります。
口腔内の病気場合は舌が出ているという症状の他に、ドッグフードを食べづらそうにしていたり、食事の量が減っていたり、口臭が気になるといった症状が併発される事が多いので、よくチェックして獣医さんにかかるようにしましょう。

歯並び

犬は人間に比べて舌が長いので、歯(特に前歯)が舌を押さえる役割をしています。
抜歯や、歯槽膿漏などによって歯が抜けたり、歯並びが悪い場合には、歯の隙間から舌が飛び出してしまうことがあります。
日頃から歯のチェックをこまめに行い、健康に保つことが大切ですね。

ストレスサイン

犬がストレスを感じた時、自分で鼻を舐めて落ち着かせる行動をとることがあります。
食事の準備中や食事をとった後ではないにも関わらず、鼻を舐めている時は何らかのストレスを感じている可能性があります。

どのような病気が考えられる?

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気持ちが悪い時や、吐き気がする時にはペロペロと舌を舐める事があります。
胃腸系の疾患や誤食などの可能性があるので注意が必要です。
また心臓疾患や呼吸器疾患などを発症している場合、ハァハァと苦しそうに呼吸をしたり、よだれが異常に出たり、咳をしたりといった症状がでます。

熱中症

先ほどもご紹介しましたが、犬は汗を出すことができないため、熱がこもりやすい動物です。
特に暑い夏は、地面からの照り返しが厳しくなります。地面との距離が人間より近いため、熱中症になるリスクも高まります。
熱中症になると、体温の上昇により多臓器不全などを起こす可能性があります。
5月~10月の間は、特に熱中症にかかる犬が多いため、常に気を付けましょう。

僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべん へいさ ふぜんしょう)

犬の死因の多くを占める心臓病のうち、特にこの僧帽筋閉鎖不全症はかかりやすい病気です。
何らかの原因で心臓内の弁に異常が起こり、心不全や肺水腫といった命に関わる危険を伴う病気につながることもあります。
お座りをした状態で、舌を出し荒い呼吸をしている状態が病気のサインです。

てんかん

人間でも良く聞くてんかん発作は、犬でも起こりうる病気です。
てんかん発作を起こす前には、舌を出したままだったり、口唇を舐めたりする行動が見られることが多いです。

口腔内の病気

口内炎、口腔内の腫瘍、歯茎の炎症、歯並びの悪さ、歯がぐらぐらしている、歯が抜けているなどトラブルが原因で、舌を出したままにせざるを得ないこともあります。
歯並びの悪さによって噛み合わせが悪い場合、人間のように矯正することが難しいため、そのまま様子を見ながら生活する場合もあります。
しかし、口の中を傷つける恐れがあるなどの場合には、全身麻酔で抜歯するなどの治療が必要なケースもあり、いずれにしても獣医師の判断が必要です。
老犬になると、どうしても歯茎が痩せてしまい歯肉炎のリスクも高まります。
歯が抜けやすくなり、実際に歯が抜けると隙間ができてしまい、舌がおさめられず自然と出てしまいます。
できるだけ、若いうちから歯と歯茎の健康を保てるようにお世話をしてあげることが大切です。

気管虚脱

気管が押し潰されて、酸素不足になると舌を出してガーガーと咳をします。
これは、加齢や肥満、運動不足などによって起こりやすい病気である他、パグやヨークシャテリア、マルチーズなどがかかりやすい病気でもあります。

こうした病気は、明らかに異常と分かるものから、そうでないものまで様々です。
今日は暑いからなどという理由で、そのまま様子を見ているうちに病気が進行してしまう可能性もあり、病気の種類によってはいち早く対応が必要なものもあります。

心配なときは動物病院へ!

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上記にあげたような症状がみられた場合、早めに獣医さんに診てもらう必要があります。
病気は早期発見治療が大切なので、少しでも可能性を感じたら動物病院へ急ぎましょう。

舌が出ているといってもその様子は様々で、理由も様々です。
場合によっては早急な治療が必要になりますので、日頃から犬の様子を観察し、異変を感じ取れるようにチェックするようにしましょう。
愛犬の健康は、あなたの気づきからはじまります。

著者情報

UCHINOCO編集部

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