犬猫の皮膚病や感染症も改善!?メディカルアロマテラピー《後編》

前編では、メディカルアロマテラピーがどのようなものかご紹介しました。今回は、引き続き、獣医師であり、メディカルアロマアドバイザーの森美幸先生に、メディカルアロマテラピーのやり方や注意点をお聞きします。 2018年05月22日作成

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1. メディカルアロマテラピーはどこで行えるの?

出典:https://www.shutterstock.com

メディカルアロマテラピーは、自分のペットのために、自宅で行うこともできます。とはいえ、どの精油がどの症状に適しているのかなど、知識が必要です。講座や講習会も開かれていますが、資格取得のためのものだったりと、かなり本格的なものが多く、気軽に勉強できる場所は未だ少ない状況です。

そのため、アロマを使う動物病院や獣医師などを頼ってみるのはいかがでしょうか。そういった病院は、インターネットで探すことができます。また、獣医師が、患者に向けて講座を開いている場合もありますので、そこで勉強するのも良いでしょう。

メディカルアロマテラピーに使う精油は、インターネットでも購入することができます。ただし、あまりにも価格が安いものには要注意。信頼のおけるお店で購入しましょう。

2. メディカルアロマテラピーを行うときの注意点

メディカルアロマテラピーを行う上で、いくつか注意したい点があります。

まず、精油についてです。

「メディカルアロマテラピーを行う上で、精油の品質はとても大事な要素です。

精油とは、植物の成分のみで生成されたものを指します。しかし、品質が悪いものには、化学物質や人工的なものが混ざっていることがあります。また、残留農薬の問題もあります。ペットたちに悪影響を及ぼさないためにも、品質がしっかりとしたものを使うことが大切です」(森先生)

インターネットでは、ペットにアロマはよくないと記載されていることも多いのですが、森先生は「気をつけなければいけない精油もありますが、知識を持って行えば危険なことはない」と言います。

ただし、猫には「セージ」は厳禁です。猫はセージを肝臓で代謝しきれないため、毒性を引き起こしてしまうことがあると言われています。

「いずれにせよ、個体それぞれに匂いの好みもあります。また、動物たちは、本能的に必要なものを嗅ぎ分ける能力が高いので、自分の弱い部分や必要としている精油の香りを好む傾向もあります。好みの精油から使いましょう」(森先生)

また、初めて行うときは、クリームやジェルをさらに薄めて使い、ペットの様子をよく観察しましょう。体調が悪くなっていると感じたら、すぐに使用をやめてください。

3. どのくらいお金がかかるの?

獣医師などに施術してもらう場合の金額はまちまちですが、一般的に1時間で数千円ほど。マッサージと同等ぐらいの金額をイメージしておくと良いでしょう。

自分で行うという場合にはメディカルアロマテラピーにかかるお金は、主に精油代になります。精油は、種類によって値段がかわりますが、一般的には1瓶5ml〜15mlで1000円から3万円ほど。全部の香りを揃えるのは難しいため、どのような症状に効果を出したいかを考えて選び、必要なものを買い揃えれば問題ありません。

また、精油は、クリームやオイル、乳化剤などを使ってクリーム状にして使用することもあります。クリーム状にして使用する場合には、そのために必要なものも用意しておきましょう。

4. メディカルアロマテラピーを試してみよう!

メディカルアロマテラピーは、100%、どのペットにも効果を発揮するものではありません。しかし、それは西洋の薬も一緒のこと。

精油には、植物の成分が凝縮されていて、それらが体の不調に作用します。直接的に効果を発揮するものもあれば、自然治癒力を高めるための精油もあります。

あなたのペットが快適に生活するために、不調を感じたら、一度、メディカルアロマテラピーを試してみるのも良いでしょう。

森 美幸

子供の頃から動物好きで、獣医師を目指し岐阜大学に進学。
念願の獣医師免許取得後、岐阜県・大阪府・兵庫県の動物病院に勤務。
診断業務に従事する中で、人とのコミュニケーションの共感を覚え、メディカルアロマアドバイザー、リンパリファインセラピストの資格を取得。
「やすらぎの森 ルーエ」を2014年に設立、ペットと飼い主さまのセラピーを提供。
現在、フリーランス獣医師として、東京都の動物病院にて診療。
また、しつけ教室、パピーパーティなども開催。

著者情報

UCHINOCO編集部

UCHINOCO編集部では、ペットに関するお役立ち情報をお届けしています。

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