猫の視力に関するフシギ

大きく印象的な瞳を持つ猫ですが、猫にはどのように周りが見えているのでしょうか?つい、私たちと同じ感覚で捉えてしまいがちですが、猫には猫の見え方があるのです。 2018年07月18日作成

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猫からすると、この世界はどのように見えているのでしょうか?視力はもちろん、見える色や見え方など、ここでは猫の視力に関するフシギを解明していきます。

TOPIC 01

猫は視力が悪い

出典元:https://www.shutterstock.com/

優秀なハンターでもある猫、近くの獲物はもちろん、遠くの獲物までしっかりと見えていそうな気がしますが、実のところ、視力はとても悪いです。

平均すると、視力は0.1〜0.3位、近いものを見れる距離は平均15cmくらいで、遠くまで見れる距離としては平均20mくらいと言われています。ただし、1番良く見える範囲は2〜7.5mなのですが、それでも鮮明には見えず、視界はボヤけているのです。

視力が悪い猫は、遠くはよく見えませんが、距離感や高さを測ることは得意としています。

ちなみに、視力が悪いのにはある理由があります。猫の目は僅かな光でもなるべく多く取り込めるように目のレンズ部分の【水晶体】と【角膜】が発達しているためと考えられています。

猫は本来夜行性のため、眼内へ少しでも多くの光を取り込む必要があります。それゆえに顔の大きさに対して目が大きく、瞳孔も大きく開きます。また、完全な暗闇では発達した嗅覚、聴力も役に立ちます。

TOPIC 02

猫の動体視力はどうなの?

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視力が悪い猫ですが、代わりに動体視力は抜群に優れています。実際に、動いているものであれば、例え小さな虫であっても見つけ出すことができます。ちなみに、この動体視力は私たち人間の4倍とも言われています。

TOPIC 03

猫が見える色とは?

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猫は、赤い色はほとんど見えないのに対し、灰色・黒・ピンク・茶色・緑・青などの色が見えていると言われています。

TOPIC 04

猫が暗闇に強い理由

猫はとてもキレイな瞳をしています。

暗いところでは、まるで光に反射しているかのように猫の目が光ることがあります。これは網膜にある【タペタム】と言う反射板によって起こる現象です。
網膜に入ってきた光はタペタムの機能によりもう1度反射され、視神経を刺激する光の量を増大させています。それゆえに猫は暗いところでも行動できるのです。

TOPIC 05

猫の目の種類

キレイに輝く猫の目は、大きく分て4種類に分類されます。色は、グリーン・ヘーゼル・アンバー・カッパーで、稀に左右の目の色が違うオッドアイがいます。また、生後2か月頃までは、メラニンが不足していることから、キトンブルーという淡い色をしています。

グリーン

メラニン色素が薄いため、光が反射することによりグリーンに見えます。この色は、洋猫に多く見られるため、日本猫ではほぼ見られない色です

ヘーゼル

メラニン色素がやや多めのヘーゼルは、ブラウンとグリーン系が混ざり合った色をしています。また、洋猫と日本猫のミックスによく見られます。

アンバー(琥珀色)

アンバー(琥珀色)はヘーゼルと混同されがちですが、濃い黄色をしています。

カッパー

茶色系の色をしたカッパーは、茶色や赤色に見えることがあります。また、メラニン色素も多く、日本猫に最も多い目の色でもあります。

キトンブルー

名前の通り、生後2ヶ月頃までの子猫に見られる目の色で、成長するとともに目の色は変化していきます。

この記事は獣医師が監修しています

本間 克巳

・本間獣医科医院長
・北里大学 獣医畜産学部 獣医学科卒業
・小動物臨床専門
・その他、海外協力事業とNPO法人の活動、アジア諸国への病院設立、人医師との腎臓移植・腹膜透析・細胞再生医療などの共同開発事業など幅広く活動中

著者情報

UCHINOCO編集部

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