犬にとって去勢は必要?不要?

犬にとって去勢手術はどのような意義があるのでしょうか?今回はまだ去勢の是非について迷いがある人に向けて情報をまとめてみました。 2018年04月19日作成

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TOPIC 01

犬の去勢の意義とは?

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「去勢手術」とは一般的にオス犬の精巣摘出手術のことを指します。それに対し、「避妊手術」はメス犬において使われ、子宮卵巣摘出術が一般的です。今回は「去勢手術」について情報をまとめます。

去勢手術を行うかどうかを悩んでいる飼い主の中には、全身麻酔のリスクや可愛い愛犬の体にメスを入れること自体に違和感を感じている場合もあります。

去勢手術を行う理由として、雄性ホルモンに関連する病気の予防や再発抑制を期待して行うケースが多いです。また、多頭飼いなどで不用意な妊娠を避けるために行うというケースも多く見られます。

望まない妊娠を避けたい

最近は家庭内で多頭飼いをしている人も多いです。オス犬とメス犬が同じ空間で生活している場合、飼い主は望まない妊娠の可能性について考慮する必要があり、その対策としてオス犬に去勢を行うという考えがあります。

マーキングは去勢で解決するのか?

オス犬がトイレ以外の場所にオシッコをするのは、縄張り意識の表れです。これは本能的な行動ですの仕方のないことではありますが、去勢手術を行う飼い主の中にはこのマーキングをなくしたいと考えて、決行する人も多いようです。しかし、マーキングが減るかどうかは個体差があり、必ずしもなくなるわけではないことを先に知っておいてください。

1歳を過ぎると成犬になり、発情するようになりますので、できるだけ早く去勢をするほうがマーキングを治せる可能性が高いと言われています。

TOPIC 02

犬の去勢手術のデメリットは?

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去勢手術のデメリットとして、一つは麻酔のリスクがあります。去勢手術は全身麻酔が必要です。100パーセント安全な麻酔はないということを知っておく必要があります。また、肥満になりやすくなるといったことがあります。肥満は循環器や運動器など他の臓器の疾患を増悪させる要因にもなるため、去勢後は特に栄養管理に注意が必要になります。

TOPIC 03

去勢手術のメリットも考えてみる

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去勢を行うことで、精巣自体の病気や雄性ホルモンに関連した病気のリスクをなくす、あるいは減らすことが期待できます。精巣腫瘍、精巣炎、前立腺肥大、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫などの発生を回避できる可能性が高まります。また、性的欲求からのストレスを軽減できます。普段から縄張り意識の強いオス犬の場合には、攻撃性や支配性が和らぐという報告もあります。

早い時期に去勢をすることのメリット

マーキングや発情などの行動を減らし、人と共存しやすくするためには、成熟期を迎えて物心がついてから去勢するよりも、できるだけ早く去勢を行うほうが良いと考えられます。しかし、早すぎてもよくないですので、成長状況を見ながら動物病院の獣医師に適期を相談する必要があります。

ストレスを最大限減らせるというメリット

オス犬がメス犬に性的に興奮するのは性ホルモンの作用であり、この欲求は飼い主が想像する以上にオス犬をストレスにさらしている可能性があります。去勢手術で精巣を摘出すると、性欲はなくなり、このストレスから解放されると考えられます。

TOPIC 04

まとめ

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最終的に飼い主が愛犬の去勢の是非を決定することになりますので、メリットとデメリットをよく理解しておく必要があります。どちらが正しいというものではないので、愛犬とのライフスタイルに合った選択をされると良いと思います。

この記事は獣医師が監修しています

本間 克巳

・本間獣医科医院長
・北里大学 獣医畜産学部 獣医学科卒業
・小動物臨床専門
・その他、海外協力事業とNPO法人の活動、アジア諸国への病院設立、人医師との腎臓移植・腹膜透析・細胞再生医療などの共同開発事業など幅広く活動中

著者情報

UCHINOCO編集部

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