日本では珍しい！「チベタンスパニエル」とは？

チベタンスパニエルと名前が似ていますが、「スパニエル」と同じ犬種ではありません。文字だけを眺めていると同じ種類かと思われるでしょうが、体格に違いがあります。

例えば、チベタンスパニエルの場合は体高25cmで体重は4～7kgです。つまり小型犬の部類です。特徴としては耳や前脚の後ろ、尾についている長くて柔らかな飾り毛です。ふわふわと動く様子は本当に愛らしいものです。

チベタンスパニエルは口元にとても特徴があり、歯の噛み合わせが初めから「アンダーショット」といわれる受け口になっているのです。これは病的なものではなく、犬種の特徴であり個性です。この特徴はチベタンスパニエルの喜怒哀楽が飼い主に伝わりやすいという利点があります。一緒に暮らすうえでも楽しみが増えるものです。

チベタンスパニエルは、他の小型犬と比べて性格的になかなか大胆です。そのうえ猫のように気まぐれな性格でも知られています。突然想定外の行動を見せて、時折飼い主を驚かせるときもあるほどです。

また、プライドが高いので依存心が少なく、初めて出会う犬や人に対しては警戒心を強く示す場合があります。そのため、子犬の頃からしっかりとした服従訓練と社会化訓訓練が必要です。

体形的に体高より体長が長いのも特徴的です。瞳やマズルは小さく華奢な雰囲気です。卵型で深いブラウン色をしている瞳も、かわいらしさの象徴です。

チベタンスパニエルの歴史はとても古いといわれています。紀元前1000年頃には既に存在していたのではないかと言われているほどです。文献などによると古くからチベット仏教と密接な関係にあった犬種であるようです。

チベタンスパニエルは何となく外見が獅子に似ていることから、チベットの僧侶の間では魔除け犬として大切にされてきました。

チベタンスパニエルは遺伝性疾患が比較的少ない健康な犬なので、一緒に長く暮らすうえでとても安心できる犬種だと言われています。ただ、小型犬共通に起きやすい膝蓋骨脱臼には常に注意する必要があります。急に高い場所に飛び乗ることや降りることで関節に負担を与えてしまう場合もありますので、くれぐれも注意してあげましょう。

外見を見てもわかるようにとても鼻の短い短頭種ですので、呼吸器系の病気が心配です。喉の病気の一種「軟口蓋過長」や「気道狭窄」など呼吸困難を引き起こす可能性があります。

暑い夏場には特に呼吸困難になりやすいので、散歩時間や気温にも十分に配慮して散歩をするなど、飼い主側の管理が大切です。暑い時期は室内も十分に涼しくしてあげましょう。小型犬の飼い主が気を付けているようなことは、チベタンスパニエルにも十分に当てはまるのです。

チベタンスパニエルはまだ日本で飼育している人が少ないので、おすすめフードなどのデータが少ないですが、小型犬なのでそちらに準じたドッグフードを与えると安全です。消化吸収の良いものやグレインフリーで効率良く栄養が接種できるものを選んであげてください。